2018.12.23

最高峰の時間管理「TQ」

速読記憶術・名著

時間管理の決定版「TQ」

「毎日やることが多すぎる」
「今日一日、締め切りに追われていたけど、何をやっていたか分からない…」
「忙しいけれど、なんだかむなしい…」

世の中にはたくさんの時間管理の本が出ている。
私が最高だと思うのは、20年近く前に翻訳版が出た、
「TQ(タイムクエスト)心の安らぎを発見する時間管理の探究」という本である。

作者の、ハイラム・W・スミスは、「7つの習慣」のフランクリン・コビー博士の友人であり師匠でもある方。
時間管理の達人である。
7つの習慣の時間管理の分野は、ハイラム・スミスの影響を大きく受けて作られている。

それではこの本は何がすごいのか?

価値観を明らかにすることこそがカギ

この本は、一般的な時間管理の本のようなテクニック本ではない。

・スケジュールをこのように組み替えれば良い
・朝、もしくは前日の寝る前に、1日の計画を立てよう
・朝は集中力が高まるので早起きしよう

と言ったようなテクニックもあるが、紹介されるのはだいぶ後半だ。

この本で強調されているのは、「まず自分の価値観を明らかにすべきだ」
ということである。

そして、「自分の価値観に沿った目標を立て、その目標のために1日の多くの時間を使えれば、心の安らぎを得られる」と説く。

副題の、「心の安らぎを発見する時間管理の探究」と言うのはそうした意味だ。

心を安らぎの状態に保つ秘訣

他の人に振り回されるばかりの1日だと、1日が終わってベットに入るときに、
「今日は一体何だったんだろう?」「忙しかったけれど何かむなしい」という思いにとらわれ、精神的に非常に疲れてしまう。

一方で、本当に自分のやりたい事に対して、たくさんの時間を使えたのであれば、その日は満足して眠りにつくことができるはずだ。
「充実した満足感」「心地よい疲労」を味わうことができる。
それこそが心を安らぎの状態に保つ秘訣なのだ。

まず自分の価値観を明らかにすること。
そのことによってその価値観に沿った生き方というのがどのようなものかが見えてくる。

外資系コンサルタントは幸せか?

例えば、「家族が何より大切」という人が、忙しい外資系コンサルタントの道を選んだとしよう。

外資系コンサルタントは、一般的に寝る間もないほど仕事に打ち込むことを要求される職業だ。

報酬は高いものの、家族との時間をゆっくりとることは通常難しい。
だからこの人は、高い収入を得ていても、心の安らぎを得ることは難しいのではないだろうか?

逆に、「仕事」や「お金」といった価値観を持っている人ならば、「やりがいのある仕事」「高収入の仕事」こそが生きる糧になってくるだろう。

同じことをやっていても、幸せな人と不幸な人が出るのは、その人ごとに人生に求めるもの=価値観が違うからなのだ。

自分が本当にやりたいこと、価値観に沿って行動していると、傍目にはハードワークに見えても、本人の疲労はさほどでもないのだ。

毎日のスケジュールを作る方法

TQでは、
1)価値観を明らかにする
2)価値観に沿った長期目標(達成したい状態)を明らかにする
3)中間ステップ(中目標)を明らかにする
4)日課を明らかにする

の順で、毎日やること(日課)を決めることを提案している。
この日課をこなすことで、自然と価値観に沿った生活ができるので、心の安らぎが得られると教えてくれるのだ。

分厚い本ではあるが、忙しい中でこそ、ぜひとも読むことをお勧めしたい。

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