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経営者は必須!貞観政要から学ぶリーダー哲学とは?
こんにちは、ビジネス陰陽師の吉川です。
経営者やビジネスマンの中には、
「会社を長く続けるには何が必要なのか」
「組織が安定して伸びるリーダーと、途中で崩れるリーダーは何が違うのか」
「一時的な成功ではなく、長く信頼される経営をしたい」
と考えている方も多いのではないでしょうか。
ビジネスの世界には、短期的に成果を出す方法はいくらでもあります。
売上を伸ばす方法、集客を強化する方法、利益率を上げる方法。こうしたノウハウは確かに大切です。
しかし、本当に大きなテーマはその先にあります。
それは、どうすれば組織や事業を長く安定して続けられるのか、ということです。
一時的にどれだけ勢いがあっても、トップが驕り、周囲の声を聞かなくなり、自分の欲や感情で組織を動かし始めると、会社は少しずつ弱っていきます。逆に、長く続く組織には、必ずと言っていいほど、トップのあり方に共通点があります。
今回は、帝王学の代表的古典である、『貞観政要(じょうがんせいよう)』をもとに、経営者・ビジネスマンにとって極めて重要なリーダー哲学について整理してお伝えします。
この内容を動画でご覧になりたい方は、下記よりご視聴ください。(同じ内容になります)
『貞観政要』とは、帝王学の教科書である
『貞観政要』とは、中国・唐の第2代皇帝である、太宗・李世民(たいそう・りせいみん)と、家臣たちとのやり取りをまとめた書物です。
李世民が治めた「貞観の治」は、中国史上でも特に理想的な政治の時代として語られます。
国がよく治まり、民衆の生活は安定し、周辺国からも尊敬を集めた時代だったと言われています。
この本がすごいのは、単なる美談集ではないところです。
優れた皇帝がどのように考え、どのように人の意見を聞き、どのように自分を律しようとしたのか。さらには、どれだけ優れた人物でも、時間が経つと慢心や傲慢さが出てくることまで、非常に人間臭く描かれています。
だからこそ『貞観政要』は、歴代の為政者やリーダーに読み継がれてきました。
日本でも、北条政子や徳川家康がその思想を学び、長期政権を築く上で参考にしたとも言われています。
つまりこの本は、単に古い中国の政治書ではありません。
組織を長く続けるための、普遍的なリーダーシップの原理が詰まった本なのです。
まず大切なのは、トップ自身のあり方である
『貞観政要』から最初に学ぶべきことは、組織の状態は、トップのあり方によって決まるということです。
李世民が皇帝になった当初、国は決して安定していたわけではありませんでした。飢饉や災害が続き、立て直しが必要な厳しい状況だったと言われます。
そうした中で李世民がまず行ったのは、自分だけ贅沢をすることではなく、質素倹約を徹底し、民を優先することでした。
本来であれば、権力を握った瞬間に豪華な宮殿を建てたり、贅沢な暮らしを始めたりしたくなるものです。ですが李世民はそうではなく、「国が苦しいのは自分の責任である」という意識で政治に向き合いました。
これは経営にもそのまま当てはまります。
会社が苦しい時、うまくいかない時、社員のせい、市場のせい、景気のせいにすることは簡単です。しかし、本当に強い経営者は、まず自分に問いを向けます。
・自分の判断はどうだったのか。
・自分の言動は組織にどんな影響を与えているのか。
・自分が示している姿勢が、そのまま会社の空気になっていないか。
トップが慢心すれば、組織は緩みます。
トップが責任感を持てば、組織は締まります。
トップが誠実であれば、組織にも誠実さが広がります。
結局のところ、会社の文化や風土は、トップのあり方の延長線上にあるのです。
優れたリーダーほど、耳の痛い意見を歓迎する

もう一つ、『貞観政要』の中で極めて重要なのが、李世民は自分を諫める人を周囲に置いたということです。
人は立場が上がるほど、周りが本音を言わなくなります。
特に経営者や組織のトップになると、誰も反対しなくなり、気づけば「自分の考えが正しい」という世界に閉じこもりやすくなります。
しかし、それが一番危ないのです。
李世民は、過去の王朝や皇帝たちがなぜ失敗したのかを研究し、
「人は権力を持つと、必ず傲慢になってしまいやすい」
ということをよく理解していました。
だからこそ、自分を諫める役割の人たちを置き、悪いところがあれば率直に言ってくれと求めたのです。しかも、それを単なる建前ではなく、制度として機能させようとしたところに大きな意味があります。
これは現代の経営者にも非常に重要な視点です。
本当に会社を伸ばしたいなら、自分に都合の良いことばかり言う人ではなく、
「それは違います」
「そこは危ないです」
「今の判断は見直した方がいいです」
と率直に言ってくれる人が必要です。
もちろん、耳の痛いことを言われるのは気分が良いものではありません。反発したくなることもあります。
しかし、そこで感情的になって相手を遠ざけてしまえば、組織は一気に危うくなります。
強いリーダーとは、強く押し切る人ではありません。
自分に不都合な真実を受け止められる人です。
どれだけ優れた人でも、10年経つと傲慢になる
『貞観政要』が面白いのは、李世民を完璧な聖人として描いていないところです。
むしろ、どれだけ優れた人物でも、治世が安定し、成果が出てくると、少しずつ慢心が出てくることが描かれています。
最初は慎重だったのに、だんだん「自分は間違わない」と思うようになる。
それは、昔の皇帝だけでなく、今の経営者にもそのまま当てはまるでしょう。
創業期や苦しい時期は、多くの経営者が謙虚です。
必死ですし、人の意見も聞きます。
ところが、少し会社が軌道に乗り、売上が伸び、周囲から評価されるようになると、だんだん自分のやり方に固執しやすくなります。
そして、成功体験が強いほど、変化を嫌い、反対意見を排除しやすくなるのです。
これは決して特別な人だけの問題ではありません。
人間はうまくいった時ほど、自分を客観視しにくくなるのです。
だからこそ大切なのは、「自分は傲慢になり得る存在だ」と知っておくことです。
気をつけていても、やはり人は少しずつズレていきます。
その前提に立った上で、自分を点検し、周囲の声を聞き、何度でも姿勢を正していく。
これが、長く続くリーダーに共通する条件なのです。
経営者の仕事は、勝つことだけではなく、続けること

経営の世界では、どうしても「どう勝つか」に意識が向きやすいものです。
もちろん、勝つことは大事です。結果を出さなければ、会社は続きません。
しかし、帝王学が教えているのは、勝つこと以上に、どう続けるか です。
一時的に伸びる会社はたくさんあります。
ですが、10年、20年、30年と信頼され、社会に必要とされ続ける会社は決して多くありません。
その違いを生むのは、派手な戦略だけではありません。
・トップのあり方。
・耳の痛い意見を聞く姿勢。
・うまくいっている時ほど自分を戒める習慣。
こうした地味に見える部分こそが、実は組織の寿命を決めています。
もし今、会社をもっと強くしたい、長く続く組織をつくりたいと思われるのであれば、ぜひ一度、自分自身に問いかけてみてください。
自分は、組織にどんな空気を作っているだろうか。
自分には、厳しいことを言ってくれる人がいるだろうか。
うまくいっている今こそ、慢心していないだろうか。
『貞観政要』は、そうした問いを私たちに投げかけてくれる名著です。
経営者・ビジネスマンにとって、単なる歴史の教養ではなく、現代の経営に直結する実践書と言ってよいでしょう。
組織を長く続けるリーダーになりたい方は、ぜひ一度、そのエッセンスに触れてみてください。
そこには、時代を超えて通用する、経営の本質が詰まっています。
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