代表者コラム
Column

指示待ち社員が、みるみる動く!”主体的組織”の作り方
こんにちは、ビジネス陰陽師の吉川です。
経営者の方からよくいただくご相談の一つに、
「自分がいないと会社が回らない」
「社員がいちいち仕事の確認をしてきて、なかなか自走してくれない」
というものがあります。
社長としては、責任感を持って会社を引っ張ってきた結果かもしれません。しかし、会社が成長していくためには、いつまでも社長一人が判断し続ける体制には限界があります。むしろ、社長がいないと回らない組織は、裏を返せば「社員が主体的に動ける環境が整っていない」ということでもあります。
今回は、指示待ち社員が自ら考え、動けるようになるために、経営者がどのような組織づくりをすればよいのかを、動画の内容をもとに整理してお伝えします。
この内容を動画でご覧になりたい方は、下記よりご視聴ください。(同じ内容になります)
指示待ち組織が生まれる本当の理由
社員が自分で判断せず、すぐに社長にお伺いを立てる。こうした状態を見ると、「社員の能力が足りない」「もっと主体性を持ってほしい」と感じる方も多いでしょう。
しかし実際にその背景にあるのは、社員が勝手に判断して失敗した時に責められる構造です。自分で決めて怒られるくらいなら、最初から社長に確認した方が安全。そうした空気が社内にあると、社員は次第に「考えること」よりも「確認すること」を優先するようになります。
つまり、指示待ち社員は、本人の資質だけで生まれるのではなく、組織の文化によって生まれる側面が大きいのです。
主体的組織の土台は「理念の共有」
では、どうすれば社員が自分で判断できるようになるのでしょうか。
その第一歩が、会社や社長の理念の共有です。
会社として何を大事にしているのか。
お客様にどう向き合うのか。
どんな判断を良しとし、何を許さないのか。
社長の中には、こうした基準が感覚として存在しています。だからこそ、その場その場で素早く判断できるのです。しかし、その基準が言語化されず、社員に共有されていなければ、社員は当然迷います。結果として、「社長に聞かないと分からない」という状態になるのです。
理念とは、単なるきれいごとではありません。現場が自分たちで判断するための“軸”になるものです。この軸が共有されている会社ほど、社長不在でもぶれずに動けるようになります。
理念だけでなく「ルール」にまで落とし込むこと

ただし、理念だけでは現場は回りません。
例えば、
・お客様への返信はどのくらいのスピードで行うのか
・どこまで現場判断で対応してよいのか
・いくらまでなら現場の裁量で使ってよいのか
こうした具体的なルールが必要です。
主体性とは、何でも自由にやることではありません。判断基準と行動範囲が明確だからこそ、人は安心して動けるのです。
特に大切なのは、「何を優先する会社なのか」を明確にすることです。
売上だけを追うのか。
お客様満足を重視するのか。
それとも、社員を守ることを最優先にするのか。
この優先順位が定まっていないと、現場の判断はぶれてしまいます。逆に優先順位が明確であれば、社員は社長と同じ方向を向いて判断できるようになります。
現場のルールは、現場に作らせる
もう一つ大切なのは、細かい運用ルールを社長が一人で作り込まないことです。
現場で何が起きているかを一番よく知っているのは、現場の社員です。ですから、社長が大枠の理念や方針を示し、細かなルールは社員に考えてもらう方が、実際に機能する仕組みになりやすいのです。
社員がルールづくりに関わることで、「やらされ感」ではなく「自分たちで回す組織」という意識も育ちます。これが主体性の醸成につながります。
社長があえて現場から離れる
主体性を育てる上で、非常に効果的なのが、社長が意図的に現場から離れることです。
社長がいつでもそこにいると、社員はどうしても頼ってしまいます。相談も増えるでしょう。しかし、社長不在となれば、自分たちで調べ、考え、相談し、決めるしかありません。
最初は1日、2日でも構いません。それだけでも、組織には大きな変化が起きます。もちろん、最初から完璧にはいかないでしょう。30点、50点の判断もあるかもしれません。
しかし、もしミスや不十分な対応があったとしても、そこで大事なのは社員を責めることではありません。
「なぜそうなったのか」
「次はどうすればもっと良くなるのか」
を一緒に考えることです。
つまり失敗を通じて考える力を育てる。これが、本当の意味で人を育てるということです。
経営者に必要なのは「任せる勇気」と「見守る器」

プレイヤーとして優秀な社長ほど、自分でやった方が早いと思ってしまいがちです。実際、その通りの場面も多いでしょう。しかし、それを続けていては、会社はいつまでも社長個人の能力に依存したままです。
組織を育てるとは、自分の分身を増やすことではありません。一人ひとりが自分の頭で考え、判断し、責任を持って動ける状態をつくることです。
そのためには、経営者に
「任せる勇気」
「失敗を許容する度量」
「成長を待つ忍耐」
が必要になります。
帝王学でも、優れたリーダーとは、すべてを自分で抱える人ではなく、人を活かし、次の担い手を育てる存在だと考えます。本当に強い組織とは、社長が頑張って、現場を回している会社ではありません。社長の想いと基準が全体に行き渡り、社員一人ひとりが主体的に動ける会社です。
もし今、「自分がいないと会社が回らない」と感じているなら、それは組織を一段上のステージに引き上げるチャンスかもしれません。理念を共有し、ルールを整え、任せ、見守る。この積み重ねが、社長不在でも成長する“主体的組織”をつくっていくのです。
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