「陰陽五行論（いんようごぎょうろん）」、「算命学（さんめいがく）」、「帝王学（ていおうがく）」。経営者向けセミナーや書籍でも目にするこれらの言葉。しかし、その違いや本質、つながりをきちんと説明できる人は意外に少ないのではないでしょうか？

経営者やリーダーとして、「運気」や「バイオリズム」、さらには「人の本質」まで見極める力が求められる時代。その中で注目されているのが、陰陽五行論・算命学・帝王学といった東洋思想です。

ここでは、東洋思想の深層を紐解きながら、それぞれの概念を明確にし、経営に活かすための3つの叡智の違いと関係性を整理します。

陰陽五行論・算命学・帝王学の関係性

先述の通り、これら3つは東洋思想のため、深い繋がりがあります。シンプルにすると下記の図のように、「陰陽五行論」が最も大きな概念としてあります。

そして、陰陽五行論を母体として、個人として使命や才能を実践的に活用するための「算命学」、国や組織のリーダーとして活用するための「帝王学」が生まれたのです。

【「陰陽五行論」「算命学」「帝王学」の関係を表した図】

１．陰陽五行論（陰陽五行思想）：東洋思想の根幹にある自然哲学

まず母体となる「陰陽五行論（陰陽五行思想）」から解説します。

陰陽五行論は東洋思想における宇宙観・世界観を表す自然哲学であり、万物の成り立ちや変化を「陰陽論（陰陽説）」「木火土金水の五行論（五行説）」で読み解くという考え方です。

陰陽論：すべてのものは「陰」と「陽」の対立と調和によって成り立つ、という思想。

五行論：木・火・土・金・水という5つの要素の循環によって世界が動いているという思想。

木→火→土→金→水（→木・・・）と、五行のエネルギーが循環している様子を上記のように表します。

この思想は、中国古代の春秋戦国時代に体系化され、以下のような分野の基本理論として活用されてきました。

・宇宙観、自然感
・哲学
・宗教（儒教、道教、仏教）
・占術（易、風水、気学など）
・暦術
・天文学
・人間界の原理原則
・医学（中医学、漢方など）これが、「陰陽五行思想」があらゆる東洋思想・技術の“母体”ともいえる所以です。

陰陽五行論の現代ビジネスへの応用

陰陽五行論を現代のビジネスに応用すると、経営判断や組織運営を自然の摂理に沿って行うための“原理原則”を学ぶ視点といえます。

簡単な例をあげると、陰陽五行論では、物事には必ず陰の側面と陽の側面の両方が存在する、と考えます。このことが肚落ちしてくると、うまい話に飛びつかず「この件のリスクはなんだろうか」と冷静に検討して損失を回避できたり、一見ピンチの中に、潜んでいる新しいチャンスを見出したりすることができるようになってくるのです。

２．算命学：人間を読み解く「命の設計図」

前述の通り、算命学は陰陽五行論（陰陽五行思想）を母体としていますが、「算命」とは中国語では「占い」のことを指します。

つまり「算命学」は、陰陽五行思想を占術として体系化したもので、宿命や才能を「個人」という切り口で実践的に活用するための学問なのです。

算命学は具体的には、人がこの世に誕生した、生年月日（誕生日）をもとに「人の宿命・才能・運気の流れ」などを読み解く技術で、まさに「命を算（はか）る学問」とされています。

・人の使命、才能、性格
・過去、未来の運勢、バイオリズム
・相性診断

算命学を身につけると、上記を高い精度で読み解けるようになります。

算命学の現代ビジネスへの応用

算命学は現代でも、個人の才能や資質を知るために普通に使われています。個人として、それを教えてもらうだけでなく、鑑定する方法を習得して組織運営や人とのコミュニケーションを円滑にするために使ったり、鑑定そのものをビジネスにすることが可能です。

経営者にとっては、自分自身の強み・弱みや適切な仕事の関わり方を判断したり、事業拡大や撤退のタイミングの判断などに非常に役立つ道具となります。さらに、社員の適性を知って適材適所の人材配置に役立てたり、面談や採用の際に使ったりすることもできるので、大きな武器になるでしょう。

陰陽五行論は広義の「算命学」でもある

少しややこしいのですが、「個人」という切り口で実践的に活用する算命学を「狭義の算命学」とし、「広義の算命学」として、陰陽五行論（陰陽五行思想）そのものを指すという考え方もあります。自然の仕組みや法則、ひいてはそれを大自然（＝神）の意思、として論じているのが「広義の算命学」なのです。

３．帝王学：リーダーに求められる「生き方の教科書」

最後に、「帝王学」は占術ではなく、もっと広い意味でのリーダーとしての思想と実践を学問としてまとめたものです。 “王”や“皇帝”、つまり「人の上に立つ者」が持つべき考え方・行動・振る舞いを体系化したものと言えるでしょう。

帝王学は以下のような領域に及びます。

・帝王の物事の捉え方、行動、あり方、魅力の付け方
・国家運営
・軍事、政治
・組織論、リーダーシップ

つまり、帝王学とは、陰陽五行論（陰陽五行思想）を母体として、それを国家や組織レベルで活かすための戦略的思考体系といえます。

帝王学の現代ビジネスへの応用

帝王学とは本来、国を治め、帝王として長く君臨するための振る舞い・心構え・考え方を示した帝王のための学問です。また、帝王＝「魅力ある人」であり、恐怖政治や支配体制を敷くのではなく、自身の魅力で多くの人を惹きつけ、ファンをつくり、人を動かしていくリーダーのための学問とも言えます。

帝王学を現代ビジネスに取り入れている方は、ソフトバンクグループ取締役会長の孫正義氏、SBIホールディングスCEOの北尾吉孝氏を代表として、たくさんいらっしゃいます。帝王学とはトップに立つ経営者が、いかに天命に従い、時流を読み、理と道をもって人を導いていくかを教えてくれる学問なのです。

帝王学についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひこちらをご覧ください。

「帝王学とは？現代人が知るべき本質と活かし方、学ぶ方法を解説」

「陰陽五行論」、「算命学」、「帝王学」のまとめ

ここで私（吉川）の話を少しさせてください。

私の学びの入口は、「帝王学」でした。当時は会社員でしたが、日々の仕事にやりがいを見いだせず、リストラ寸前の状態まで追い込まれていました。仕事へのモチベーションが落ち、今まで学んできた一律的な成功法則や、西洋マーケティングでは解決できない状況に悩んでいたのです。

そんな時、真に自分と向き合い、リーダーとしての生き方の指針となる「帝王学」という学問と出会いました。お陰で自分のあり方を根本的に見直すことができ、組織の中でもリーダーとして、成果を出すことができました。

その後、算命学で示された自分の使命に沿って、この学問を世の中に広めたいと独立し、現在はビジネス陰陽師として、経営者や個人に帝王学を中心とした講座「社長の帝王学」を主宰しています。

ここまで解説してきた、3つを簡単にまとめると、下記のようになります。

今のあなたに必要なものはどれでしょうか？まずはどれか1つでも興味を持ったものから学んでいけば、自ずと3つが関係していることがご理解いただけるようになるでしょう。

最後に：経営者が目指すべきは“帝王”である

経営者にとって必要なのは、単なる成功ノウハウではなく、時代を読む力、人を導く力、自分の使命を知る力です。これらを総合的に学び、実践していくのが「帝王学」です。
その土台には、「陰陽五行思想」という大自然の法則があり、それを個人に応用した「算命学」があります。

つまり、この3つはバラバラではなく、陰陽五行思想→算命学→帝王学という流れで、深くつながっているのです。
東洋思想の叡智を活かし、あなた自身が帝王＝「魅力ある人」とし、自身の魅力で多くの人を惹きつけ、ファンをつくり、人を動かしていく時代の“帝王”（＝リーダー）となる準備を始めてみませんか。

もし興味のある方は、陰陽五行論から算出したご自身の宿命が分かる「経営指針シート」を取り寄せてみてください。