代表者コラム
Column
人は「長所」で失敗する
人のエネルギーや力量を表す数値
陰陽五行論には、「人は長所で失敗する」という格言がある。
例えば、宿命の中に「エネルギー値、力量」を表す数値がある。
「数理法」という技法であるが、人の力量を、
通常 130~350点くらいまでの数字で表す方法だ。
(これ以上も以下も、理論上はあるそうだがまず出てこない)
基本的には点数が高ければ、
・エネルギーが高い
・突破力が高い
・一人でなんとかする力量がある
ということになり、低ければその逆になる。
それが面白いことに、
高いほどいいということはないし、
低いから悪いということは一切ない。
点数が高いからこその注意点とは?
なぜなら点数が高いと、その分力量が高いため、次のようなことが起きやすいからだ。
1)慢心する
何とかなるから、自分ができるからと、自分を磨くことをしない。
また、適切な緊張感を持って物事を進められなくなりがちになる。
2)人の力をうまく借りられない
自分一人でできてしまうため、人に頼る必要がない。
だからうまく人の力を借りられない。
いい意味で人に甘えることができなくなるのだ。
世の中、自分一人でできることは限られている。
大勢の人の協力を得ながらやる方が大きな成果を出すことができる。
3)同じやり方を続けてしまう
世の中の変化は早い。
なまじうまくいってしまうために、自分のやり方が古くなっていることに気づくのが遅れる。
気が付けば世の中に取り残されてしまうことになりがちだ。
これを、「人は長所で失敗する」と言うのだと思う。
松下幸之助さんの力量は低かった!?
力量が低い人の長所を、上記と逆に挙げると次のようになる。
1)油断せず良い意味の緊張感を持てる
2)人の力をうまく借りられる
3)新しいやり方を試すことができる
一般的に男性は、200~250点、女性は150~200点くらいが生きやすい点数であると言われている。
ところが、パナソニックを一代で築き上げた、松下幸之助さんの点数は146点だった。
男性にしてはだいぶ点数が低いほうだろう。
身体も弱かった松下さんは、1年のうちの半分ほどは寝たきりの生活を送っていたともいわれる。
それがなぜ1,500社以上の会社を作り、松下グループを作り上げられたのか。
それは他の人の力をうまく使えたからに他ならない。
松下さんは、部下や取引先の良いところを引き出し、適材適所に使うことに抜群の能力があったし、人を引き付ける魅力にあふれていた。
長所に油断せず、短所に絶望しない
自分の長所を活用して生きていくことは素晴らしいが、上記のような落とし穴もある。
また、短所があったとしても、それを補うような動きをすることもできる。
だから、単純に自分の長所に油断せず、短所に絶望しないことだ。
陰陽五行論はそうしたことも教えてくれる。