代表者コラム
Column
マラソンは、苦しいときほどにっこり笑う
9年ぶりのフルマラソン
佐野マラソンに出場してきた。
9年ぶりに出場したフルマラソン。
9年前は5時間をなんとか切ったのだが、今回は5時間14分という結果であった。
結果だけ見れば大したことはないが、年齢と練習不足を言い訳にさせていただければ、まずまずの成績と言っていいだろう。
何より今年は、世界で最も厳しい障害物競走と言われるスパルタンレースを完走し、フルマラソンに復帰できたので、私としてはとても満足であった。
出場したくないから熱が出る
実は今年はあと2回、距離の短いマラソン大会にエントリーしていた。
ところが、2回とも前日に熱を出してしまい、出場を取りやめたのだ。
ただしこれは、
「熱が出たからマラソンに出られなかった」のではなく、
「マラソンに出たくなかったから、熱を出してしまったのだ」と捉えている。
翌日か翌々日にはけろっと治ってしまうのだから。
一方今回は、体調も非常によかった。
しかも天気は冬の晴れ日、気温は5度から7度というベストコンディションであった。「マラソンに参加しなさい」ということだと思って、参加させていただいた次第だ。
苦しい時ほどニッコリ笑う
「苦しい時ほどニッコリ笑う」
師匠に言われている言葉である。
苦しい時に苦しい顔をするのは誰にでもできる。
しかし苦しい時にこそ周りを元気付け、にっこりと微笑むという事はリーダーの仕事なのだ。それができる者にこそ人がついていく。
チームで仕事をしていてピンチになると、メンバーは必ずリーダーの顔を見る。
リーダーが大丈夫と笑っていれば、メンバーは安心して仕事に打ち込める。
しかし、リーダーが不安な顔をしてうろたえていれば、その心配は全体に伝わってしまう。士気も下がってしまうだろう。
だからリーダーは苦しくてもあえて笑っていなければならないのだ。
この教えをマラソン中に思い出した。
練習不足の中、長距離を走っているととにかく足が痛くなる。寒い。身体の節々も痛くなってくる。
必死の形相で走っているランナーも多くいる。
そうした大変な時間も多かったのだが、とにかく自分は笑顔で走ろうと思った。
なるべく笑を浮かべつつ、沿道で応援してくださる皆さんに「ありがとうございます!」と声をかけながら走る。それもなるべく大きな声で。
すると不思議なもので力が湧いてくる。
パワーを周りから与えてもらおうとするよりは、パワーを与える側に回り、周りを元気づけるほうが力が出るものだ。
これも面白い体験であった。
今日、気持ちよく、走らせてもらっている感謝
実際にマラソンに参加させていただくと気づくことがたくさんある。
まず非常に景色が綺麗だったこと。
すでに秋も終わりかけ、冬に入りかけている。
山の木々が真っ赤に染まって散りかけており、美しい。空気は澄んでいる。
そうした秋の終わり、晩秋から冬の季節で天気の良い中、気持ちよく走らせていただいた。
円滑な運営のためにたくさんの準備をしてくださった運営の方々、交通整理をしてくれた警察の方々、そして沿道の方々の声援も暖かいものであった。
5Kmごとに設置された休憩所で振る舞っていただく水やスポーツドリンク、バナナやチョコレート、レモンにどれだけ助けられたか。
(レモンを食べると疲労が吹っ飛ぶと言うのを初めて体験した。)
そして一緒に走ったランナーの方々、なかでもサンタやトナカイ、さのまるくんなどの仮装で盛り上げてくれた人たち。こうした方々に感謝をしながら走らせていただいた。
今日気持ちよく、マラソンを走らせてもらっている奇跡を噛み締めて。
豊かな体験をした非常に良い1日だったと思う。