アートの発想で、ビジネスを引っ張る
先日、アートこそがビジネスに必要だと話させていただいた。
「つくる」「科学的経営」の次に来る「アート」とは?
皆さんの中には、「では、どうやってアートをビジネスに結び付けていけばいいんだ!?」と思う方が多いかもしれない。
そうした人のために、とっておきの起業家を紹介したい。
私がレポートを書かせていただいたのだが、講演会でその秘訣を話してくれた。
人と地球と、そして宇宙の未来のためにアイデアから起こすイノベーション
オランダの起業家、ダーン・ローズガールデさんという方だ。
国やNASAともプロジェクトをする起業家
このダーンさんのスケールが大きい。
ダーンさんは、その卓越したデザイン力と組織力、構想力を買われ、国やNASAなどと一緒に様々なプロジェクトを行っている。
例えば、
・海抜0メートル以下のオランダにある、世界最長の防波堤アフシュライトダイクの補修プロジェクト。
(車のライトの反射によって電力を使わずに点灯する仕組みを提案し、実現)
・中国のPM2.5のような大気汚染を解決するため、「スモッグ・フリー・タワー」という空気清浄機を建てる、建設プロジェクト。すでに中国に800基を建設済。今後数カ国に展開予定。
・「宇宙ゴミ」という、人工衛星等の打ち上げの際に発生するゴミを除去するようなプロジェクトを、各国の宇宙開発機関(NASAなど)と共に推進
など、スケールが大きいのだ。
しかも実現することで、世の中のいろいな問題が解決するプロジェクトばかりだ。
「BUT」を使わない
そんなダーンさんは、プロジェクトのメンバーに「BUT(でも…)」という言葉を使わせないそうだ。
メンバーを「BUT]という言葉をを感知すると、電気を流す椅子に座らせているとも言う。
ダーンさんは、想像力を使い、BUTを言わなければ、世界中のいろいろな問題が解決可能になると言う。
そしてプロジェクトを継続させるために、ビジネスの仕組み、つまりお金が回る仕組みまで導入してしまうところが素晴らしい。
ホコリで作ったダイヤモンド!?
例えば、大気汚染を解決するための「スモッグ・フリー・タワー」。
これは、公園などに建設し、空気をきれいにする大きな空気清浄機のような装置である。
そして、
大気から抽出したホコリ、主に炭素を固めてしまい、人工ダイヤモンドを作ることを行っており、ダイヤモンドを売る、という破天荒な方法を実用化した。
さらに、宇宙ゴミの除去という、捉えどころのない問題についてはまだ解決方法は決まってはいない。
しかしたとえば、
・月に居住可能な空間を作るための素材にできないか?
・ドバイなど富裕層が集まるような地域に対して、人工的に宇宙ゴミを燃やして地球に落下させ、流れ星を演出することができないか?
といったことを、NASAなどの名だたる機関と検討しているのである。
アートで世界の問題を解決する!
ダーンさんは、デザイナーであるが、そこにビジネスを取り入れ、世界的な問題に取り組んでいる。
目の前の問題だけではなく、発想を大きくし、ノーを言わないことを心がけ、アーティスティックなセンスを使って、世界の問題を解決していく。
こうしたアートとビジネスの融合、地球や宇宙の環境に配慮したプロジェクトが、今後求められているビジネスのやり方だと思う。
自分のビジネスのやり方やスケールを大きく変えていきたい方は、是非記事を読んでほしい。
人と地球と、そして宇宙の未来のためにアイデアから起こすイノベーション