2018.10.13

怒りを乗り越える

陰陽五行論

怒りを乗り越える

心を強くしなさい」
常に師匠に言われている言葉である。

日々起こることに、必要以上に一喜一憂しない。
ビビってしまうこと、悲しいこと、つらいことも淡々と受け入れ、必要なら恐れに立ち向かう。

心は揺れ動くことはあるものの、常に安定している。

そうした心持ちで日々を過ごしたいものだと思う。

怒りのトリセツ

今日は人間の感情のうち、非常に大きいエネルギーを持ち、自分や他人を傷つけてしまう可能性の高い「怒り」についてお話したい。

色々なことに腹がたち、まともな思考ができなくなった。
多くの人にあることではないだろうか。

最近私は、心理学について研究している。

それによると、実は自分が恐れていることに触れられたとき、近づいたとき、とっさに出るのが怒りである。
望ましくない心理状態に近づきたくない。
自分を守りたい。

そうした思いがとっさの防御反応として「怒り」という形で噴出する。

無自覚に自分を守ろうとするのだ。

ボスの恐れ

例えば、いわゆる「ボス」のように、他人をコントロールしがちな人がいる。
こういう人は、実は他人にコントロールされることに、根本的な恐怖を感じるのだ。

だから他人にコントロールされそうになると、とてつもない怒りが湧いてきて「そうはならないぞ」という気持ちになる。

一方で、この人は人をコントロールすることで他人とつながりを持とうとする。
当然、自分の心を対等の立場で分かってくれる人がいない。
だから、意外に寂しがり屋だったりするのだ。

このボスが、「他の人に操られるのが怖いんだ」と認めることは難しいだろう。

自分ではそんなことを考えていない可能性が高いからだ。

生物界、村社会で身を守ってきた歴史

生物として、自分を攻撃してくる者から身を守るのは当然だ。
そして、人間が集団生活をするようになり、相手の態度や言葉からも身を守る必要が出てきた。

相手の責めをそのまま受け入れ、言いなりになってしまっては、今までのように生活できなくなり、最悪村を追い出されてしまったり、殺されてしまう可能性もあるからだ。

だから「攻撃された」と感じると「怒りの力でそれをはねのける」という行動が我々の脳にインプットされている。

自分の弱さを認めること。
自分の本心(恐れ)を言葉にすること。
これらは危険な行為だったのだ。

認めることの強さ

こうした根源的な恐れを普段自覚することはないかもしれない。
しかし、そうした恐れを自分の心の中に見つけ、それを受け入れ、認めるとき。
それが真の強さに転換していく。

「陰極まれば陽に転ずる」という陰陽五行論の格言の通り、弱さを認め、さらけ出してしまうことが、強さに転じるのである。

あなたも、自分の心の中にある「恐れ」を探し、認めてみてはいかがだろうか?

他の「恐れ」についてもまた別にお話したいと思う。

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