2021.05.19

井の中の蛙は、本当に世間知らずなのか?

ビジネス&マーケティング

ビジネス陰陽師の吉川です。

今日は有名な、「井の中の蛙(かわず)」の
意外な面を解説します。

井の中の蛙(かわず)大海を知らず

「井の中の蛙」と聞くと
あまりポジティブではないですね。

「あの人は井の中の蛙だから」と言われたら、

「あの人は世間知らず」「狭い世界しか知らない」
という意味になるからです。

正確には、「井の中の蛙大海を知らず」という
ことわざからきている言葉です。

「井の中の蛙大海を知らず」の由来は、
中国の思想家である荘子の「秋水篇」にある、
「井蛙不可以語於海者、拘於虚也」。

意訳すると、
「井戸の中にいる蛙はずっと狭い世界しか
 見たことがなく、井戸の世界が全てだと
 思っている。そして自分は世界のことを
 全部知っていると勘違いしている。

 大きな海を見たことがないため、
 視野が狭くありきたりの知識しかない」

というような意味でしょうか。

ところが・・・です。

実は続きがある言葉

このことわざは、
ネガティブな意味で使われるのですが、
実は続きがあるとご存じでしょうか?

「井の中の蛙大海を知らず」の後には、
「されど空の深さ(青さ)を知る」と続くのです。

荘子の「秋水篇」にはその表現がないため、
日本に伝わったのちに付け加えられたものだと
考えられています。

この言葉が加わることで意味が180度
変わってしまうのです。

意訳すると、
「井戸の中にいる蛙は、
 確かに世間知らずかもしれないが、

 狭い世界で自分の道を突き詰めたからこそ、
 その世界の深いところまで探求することができた」

となるでしょうか。

確かに、視野が狭ければ世界の広さについて
行けない部分は出るでしょう。

しかし、世の中のことが目に入らないほど
自分の専門分野を突き詰めるような人ほど、

関わっている世界の、深い部分を捉え、究めていくのです。

何かの分野の天才が、
その分野では天才でも、それ以外のことは
全く何もできない、というのは実際ありますよね。

・自分は広い世界を知っていく者なのか?
・自分は狭い領域をとことん追求するの者なのか?

こうした問いを自分に問いかけていくのも
良いと思います。

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